SR400の車検を通すためのチェック

あなたのSRは大丈夫?

車検に通ったからといって整備不良とならない保証はない。楽しいツーリング最中に突然「ドキッ!まさかの山中で無料車検場!(キップもあるよ)」が開催されるかもしれない。マスツーリング中だと恥ずかしさ倍増。道路運送車両法をベースに今一度見直して欲しい。

☑車体サイズ(長さ、幅及び高さ)

同じ車種でも調整・消耗や個体差でどうしても狂いは出てきますが、誤差に許容範囲が設定されています。
別表第4 製作誤差の範囲
二輪車 長さ±30mm 幅±20mm 高さ±30mm 車両重量±10kg

SR400における諸元の数値が年式によってバラつきがあります。各々の車検証に記載されている数値と現車を確認しましょう。
SR400の場合、長さはフロントフェンダーからテールライトまで、幅はハンドルの左エンド~右エンド、高さはハンドルのトップまでとなります。
SR400で注意するのはセパハン化した際に高さが足りなくなってしまうケースです。その際に高さのトップはキーシリンダー(またはメーター)になりますが、車検証記載-3cmより低い数値であれば素直に記載変更手続きをした方が良いです。ハンドルの絞りすぎ(幅が足りない)にも注意です。また、ロンスイを入れる事で長さが超えてしまう、といった事例があります。この場合も記載変更手続きが必要となります。

☑シート(乗車定員)

SR400は通常2人乗りですが後部座席を道路運送車両法では次のように定めています。
第26条の一のロ
二輪自動車の後部座席であって、握り手及び足かけを有するもの。

つまり座る為の座面(リアフェンダーやカウルはダメ)があってタンデムベルト(またはグラブバー)とタンデムステップが最低でも必要とういことになります。座面に関しては座る為であることを実証できれば鉄板だろうとキャリアだろうと素材は問わないようです。
SR400で注意しなければならないのがシングルシートです。この時点で既に2人乗りできないので構造変更手続きが必要となります。

☑ナンバープレート(自動車登録番号標)

平成28年(2016)4月1日よりナンバープレートに関する法律が一部改正されました。

自動車登録番号標の表示の義務 
第十九条 自動車は、第十一条第一項(同条第二項及び第十四条第二項において準用する場合を含む。)の規定により国土交通大臣又は第二十五条の自動車登録番号標交付代行者から交付を受けた自動車登録番号標を国土交通省令で定める位置に、かつ、被覆しないことその他当該自動車登録番号標に記載された自動車登録番号の識別に支障が生じないものとして国土交通省令で定める方法により表示しなければ、運行の用に供してはならない。

自動車登録番号標の表示
第八条の二 法第十九条の国土交通省令で定める位置は、自動車の全面及び後面であつて、自動車登録番号標に記載された自動車登録番号の識別に支障が生じないものとして告示で定める位置とする。
一 自動車の車両中心線に直交する鉛直面に対する角度その他の自動車登録番号標の表示の方法に関し告示で定める基準に適合していること。
二 自動車登録番号標に記載された自動車登録番号の識別に支障が生じないものとして告示で定める物品以外のものが取り付けられておらず、かつ、汚れがないこと。

その中では新基準として角度やフレームが数字で明確化されています。2019年現在はリードタイム期間としており正確には平成33年(令和3年、2021)4月1日以降に初回登録、初めて車検を受ける車体に適用されます。初回車検は初回登録から3年ですので逆算して2018年4月1日以降に購入(登録)した車体がこのナンバー厳密化の対象となります。
では、それ以前に登録された車体は関係ないかというとそうでもありません。実車が新基準適用外だとしても国土交通省が「識別に支障が生じないもの」として意図を含んでいる以上、覆すのは困難です。先ほどのナンバー厳密化より若干ユルいナンバー厳格化といったところでしょう。

☑リフレクター(後部反射器)

割と忘れがちですが後部リフレクター(反射板)は必須です。道路運送車両法では次のように定めています。
後部反射器 第210条
三 後部反射器は、夜間にその後方150mの距離から走行用前照灯で照射した場合にその反射光を照射位置から確認できるものであること。この場合において、後部反射器の反射部の大きさが10cm2以上であるものは、この基準に適合するものとする。
四 後部反射器による反射光の色は、赤色であること。

ザックリ言うと、赤くて10cm2以上(5cm×2cmとか3.3cm×3.4cm等)のもの。距離はともかく形が文字や三角型でなければおおよそOKです。

☑ミラー

バイクのミラーは右側だけあればOK、なんていう話を聞いた事があるでしょうか。
別添83 二輪自動車等の後写鏡及び後写鏡取付装置の技術基準
3.2.1. 最高速度が50km/hを超える二輪自動車、側車付二輪自動車及び三輪自動車は、自動車の左右両側にそれぞれ1個づつ後写鏡を備えなければならない。ただし、最高速度が50km/h以下の二輪自動車、側車付二輪自動車及び三輪自動車にあっては、自動車の右側に1個の後写鏡を備えればよい。
3.3.1. 後写鏡は、その反射面の中心が、車両のステアリングへッドの中心を通り自動車の進行方向に平行な鉛直面から、水平面で測定して、280mm以上外側に取り付けられなければならない。試験の際には、ハンドルは直進する位置に、後写鏡の調整装置は標準の位置にあるものとする。

7-2 長さ、幅及び高さ
(3)外開き式の窓及び換気装置、側方衝突警報装置(検知センサー及び検知センサー附属品に限る。)、後写鏡、後方等確認装置並びに 7-100 に規定する鏡その他の装置は、次に定める状態で測定するものとし、この場合において、これらの装置(側方衝突警報装置を除く。)にあっては、その自動車の最外側から 250mm 以上、その自動車の高さから 300mm 以上、側方衝突警報装置(検知センサー及び検知センサー附属品に限る。)にあっては、その自動車の最外側から 100mm を超えて突出していてはならない。 ただし、その自動車より幅の広い被牽引自動車を牽引する牽引自動車の後写鏡及び後方等確認装置に限り、被牽引自動車の最外側から 250mm まで突出することができる。(保安基準第 2 条第 2 項関係、細目告示第 6 条第 4 項関係、細目告示第 84条第 4 項関係)

砕いて言えば50ccの原付(1種)バイクは片方(右側)だけでOK、原付(2種)以上のバイクは両側必須となります。今まで問題は無かったという人はただ捕まったことが無いだけで、法的には車両不備となります。

取付位置も指定されています。中心から280mmということは左右で56cm以上離れていなければなりません。また、車高から+30cmまで車幅から+25cmまでという規定もあります。バーエンドミラーをつけてもこれを超えることは無いと思いますが注意が必要です。

さらに2007年(3HTP)以降は形状やサイズが明文化されています。

(後写鏡等) 第224条
4 次に掲げる後写鏡は、前項第3号の基準に適合しないものとする。ただし、平成18年12月31日以前に製作された自動車に備える後写鏡にあっては、第2号から第4号までの規定によらないことができる。
一 鏡面に著しいひずみ、曇り又はひび割れがあるもの
二 鏡面の面積が69cm2未満であるもの
三 その形状が円形の鏡面にあっては、鏡面の直径が94mm未満である、又は150mmを超えるもの
四 その形状が円形以外の鏡面にあっては、当該鏡面が直径78mmの円を内包しないもの、又は当該鏡面が縦120mm、横200mm(又は横120mm、縦200mm)の長方形により内包されないもの

簡単に言うと
・鏡面の面積が69cm2(6900mm2)以上であること
・丸型ミラーは直径94mm~150mmの範囲内
・楕円、四角、ひし形等は120mmX200mm以内で直径78mmの円が収まること
ということになります。

☑ホーン(警音器)


第141条 警音器
1警音器の警報音発生装置の音色、音量等に関し、保安基準第43条第2項の告示で定める基準は、警音器の警報音発生装置の音が、連続するものであり、かつ、音の大きさ及び音色が一定なものであることとする。この場合において、次に掲げる警音器の警報音発生装置は、この基準に適合しないものとする。
一音が自動的に断続するもの
二音の大きさ又は音色が自動的に変化するもの
三運転者が運転者席において、音の大きさ又は音色を容易に変化させることができるもの
2警音器の音色、音量等に関し、保安基準第43条第3項の告示で定める基準は、次の各号に掲げる基準とする。一警音器の音の大きさ(2以上の警音器が連動して音を発する場合は、その和)は、自動車の前方7mの位置において112dB以下87dB以上(動力が7kW以下の二輪自動車に備える警音器にあっては、112dB以下83dB以上)であること。

使わない人はほんとに使わないのでユーザー車検の時に壊れている事に気づいたという方もいるんじゃないでしょうか。事前に要チェックです。

検査員(検査場)によってはもしかしたらノーチェック、お目こぼしあるかもしれませんが法的には必須。指摘されたらアウトなので要チェック。

✅シフトパターン表示(操縦装置)

変速ギア表示を道路運送車両法では次のように定めています。
第12条の三
変速装置の操作装置又はその附近には、変速段ごとの操作位置を運転者が運転者席において容易に識別できるような表示をしなければならない。

SR400ではスプロケットカバーに【1-N-2-3-4-5】という刻印があります。ですので、このスプロケットカバーを外す、または他社製のカバーに交換してしまうと車検に通らなくなります。

刻印でなければならない訳ではないので表示されていれば、シールやステッカー等でも(印字薄れや欠けがなければ)検査上では問題ないようです。

✅ハンドルロック(施錠装置)

セパハン用にハンドルストッパーをステムに組み込むとハンドルロックができなくなります。たまにディスクブレーキローターロックやスプロケットロック、U字ロックでハンドル固定といった代用をみかけますが道路運送車両法では
別添8 二輪自動車等の施錠装置の技術基準
2.1. 「施錠装置」とは、確実にステアリング又は動力伝達装置を施錠して、不正に車両を作動させることを防止する目的の装置をいう。
3.4. 施錠装置は、組み付け用装置(最初の小売り販売前に自動車製作者が取り付けた装置をいう。)の一つとして自動車に取り付けられていなければならない。錠は施錠装置内にしっかりと取り付けられていなければならない。(錠を鍵で抜き出すことができる場合、かつ、カバーや他の保持装置が取り除かれた後は、これは本要件に矛盾するものではない。)

となっています。駆動系(トランスミッションやスプロケット)を確実にロックできるのであればハンドルである必要はないと解釈できますが、問題は組み付け装置であること(携帯できるロックはダメ)。なんらかの方法(ワイヤー等)でU字ロックを車載装備品として認めてもらえば車検で通る、という事例があります。
もう少しスマートに備え付けるなら

こういったロックを後付けするか、ロックできるステムヘッドへ交換した方が良いかもしれません。

✅チェーンカバー

チェーンカバー(チェーンケース)については明確に記されている訳ではありません。無くても車検には通りますが走行装置としての観点から
第9条(走行装置等)
第九条 自動車の走行装置(空気入ゴムタイヤを除く。)は、堅ろうで、安全な運行を確保できるものとして、強度等に関し告示で定める基準に適合するものでなければならない。
4 タイヤ・チエン等は走行装置に確実に取り付けることができ、かつ、安全な運行を確保することができるものでなければならない。

となっています。検査員が「安全ではない、危険である」と判断した場合は通りません。

検査員の主観によるところが大きい項目ですが、チェーンカバーをハズすというカスタム(スカチューン)に強い拘りがないのであれば、付けることで生まれるメリットも多いので交換カスタムも一考してみてはどうでしょう。
・衣服巻き込み、路上ゴミの巻き込み防止。
・チェーン油飛散防止(特にタンデム足)。
・不意の破損時ケガ防止。

✅突起物

道路運送車両では次のように定めています。
別添20 外装の技術基準
3.4.外部表面には、曲率半径が2.5mm未満である突起を有してはならない。ただし、突出量が5mm未満である突起にあっては突起の外向きの端部に丸みが付けられているものであればよいものとし、突出量が1.5mm未満にあってはこの限りでない。

曲率半径が2.5mm以上とは

SR400で最も引っ掛かりそうなカスタムがこちらの風切りフェンダー(ネームプレート)

どのように2.5mmを稼ぐのかというとモールが一般的です。

大抵のネームプレートにはモールが同梱されているはずなので捨てずに取り付けましょう。

次回、SR400の車検を通すためのチェック②
☑マフラー☑排出ガス規制☑ブローバイガス☑A.I.S.☑ライト☑メーター☑タイヤ☑ホイール☑ブレーキ☑ブレーキリザーブ☑サスペンション☑タンク✅スクリーン
to be continued…

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